松たか子さん主演の映画『ファーストキス 1ST KISS』が2025年2月7日(金)に公開になります。
この映画『ファーストキス』では、現在47歳の松たか子さんの夫役を、現在29歳のSixTONESの松村北斗さんが演じるということで、非常に話題になっています。
また、脚本をドラマ『カルテット』など数々の作品で松たか子さんと一緒に仕事をしている坂元裕二さん、監督を映画『ラストマイル』ドラマ『アンナチュラル』などを手がけてきた塚原あゆ子さんが担当していることで、とても期待が膨らむ映画でもあります。
今回は、そんな映画『ファーストキス 1ST KISS』のあらすじや結末について、ネタバレありで見ていきますので、まだ映画を見ていない、ネタバレを好まない方は、映画を見た後に戻ってきていただけますと幸いです。
最後には、私なりの考察と感想も書いていきます。ぜひ、最後までお楽しみいただければと思います。
映画『ファーストキス 1ST KISS』のあらすじは?
まずは、映画『ファーストキス 1ST KISS』のあらすじについて見ていきましょう。
もう一度だけ、会いたい人はいますか?
結婚して15年になるカンナは、ある日、夫の駈を事故で失ってしまう。
いつしか夫婦生活はすれ違っていて、離婚話も出ていたが、思ってもいなかった別れ。しかしカンナは、駈とこちらも思ってもいなかった再会を果たす。しかもそこにいたのは、初めて出会ったときの駈。
ひょんなことから、彼と出会った15年前の夏にタイムトラベルしてしまったカンナは、若き日の駈を見て思う。やっぱりわたしはこの人が好きだ。まだ夫にはなっていない駈と出会い、カンナは再び恋に落ちる。
時間を行き来しながら、20代の駈と気持ちを重ね合わせていく40代のカンナ。事故死してしまう彼の未来を変えたい。過去が変われば未来も書き換えられることを知ったカンナは、思い至る。わたしたちは結婚して、15年後にあなたは死んだ……だったら答えは簡単。
駈への想いとともに、行き着いた答え。
わたしたちは出会わない。結婚しない。たとえ、もう二度と会えなくても–––– 。
映画『ファーストキス 1ST KISS』公式サイト https://1stkiss-movie.toho.co.jp/
映画『ファーストキス 1ST KISS』のネタバレありのあらすじは?ラストはどうなる?
ここからは、映画『ファーストキス 1ST KISS』のあらすじを詳細に、ネタバレありで結末まで見ていきましょう。
「読めない名前」がキーポイントとなる
まず、松村北斗さん演じる「硯駈」ですが、「すずりかける」と読みます。おそらく、初見では読めない人が多いのではないでしょうか。
また、松たか子さん演じる硯カンナ(すずりかんな)は、旧姓では高畑カンナと言う名前なのですが、この名前も通常よくある「たかはた」ではなく「たかばたけ」と読みます。
この、「読めない名前」が映画『ファーストキス』では、一つのキーポイントとなります。
硯駈はなぜ死んだのか?
硯駈(松村北斗)は、なぜ死んだのか。
それは、駅のホームで、ベビーカーに乗った赤ちゃんが電車にぶつかりそうになるのを助けたからです。
2024年7月10日に、硯駈は亡くなります。
硯カンナは、駈とは離婚する予定で、すでに駈がサインをしていた離婚届に、自分の名前を書いて、亡くなる当日の朝に駈に渡していました。
しかし、駈が亡くなって、戻ってきた駈のカバンの中には、離婚届は入ったままでした。
冷え切っていた、カンナと駈の夫婦関係
カンナと駈は、会話もなく、目も合わせず、ご飯すら一緒に食べないような冷え切った関係の夫婦でした。
「恋は盲目って言うじゃないですか。結婚は逆に解像度が上がります。見逃していた欠点が4Kで見えてきます。」
これは、過去に戻ったカンナが駈に伝えたセリフです。
恋愛して結婚したのに、結婚生活の中で、駈はカンナがつけっぱなしにしている電気を順番に消していったり、不機嫌な時にドアをバンっと閉めたり。
カンナが仕事でトラブルがあって慌てて出かけた後に、駈が帰ってくるとエアコンがつけっぱなしになっていて、それを帰ってきたカンナに、「帰ってきた時、エアコンつけっぱなしだった」とイライラして伝えます。
それに対して、カンナは「仕事でトラブルがあって慌てて出かけたの!」とイライラして言い返します。
別の日には、駈は、カンナに相談もせず、自分の部屋専用のベッドを購入し、「時間ずれること多いし、あったほうが便利でしょ」と言います。
駈は自分の分だけ洗濯をし、忙しくてあまり家事はできないけど「洗濯はするって言ったじゃん」と言うカンナに「明日着るから」と答えます。カンナが「自分の分だけしたの?」と聞くと、「だってわかんないし。だめ?」と言う駈。
こういう価値観の違いや、すれ違いの積み重ねで、カンナと駈の関係は、冷え切っていったのです。
段々とすれ違って冷え切っていく描写がとてもリアルで、なんだか苦しさを覚えるようなシーンの数々でした。
駈とカンナの仕事は?
駈は、元々は大学で古生物学の研究をしていました。しかし、カンナと結婚するにあたり、「今の給料じゃ食べていけない」という理由で、大学を退職していました。
そして、駈は八神不動産という不動産会社へ就職し、経理担当としてクタクタになりながら働いているのでした。
カンナが過去へ戻った時の駈は、まだ大学で働いており、カンナと出会ったホテルではその学会が行われているのでした。
駈の上司に当たる、古生物学の教授の天馬市郎はリリー・フランキーさんが演じています。そして、駈に恋心を抱いている天馬一郎の娘の天馬里津は、吉岡里帆さんが演じています。
一方、カンナの仕事はデザイナーで、現在は2.5次元舞台の美術デザインをしています。
カンナの助手の世木杏里は、森七菜さんが演じています。
カンナはどうやって過去へ行った?
カンナが過去へ行ったのは、2024年12月24日でした。
仕事が終わり、お取り寄せを3年も待った餃子が届いて楽しみにしていたのに焦がしてしまい絶望していたカンナは、舞台美術が一部壊れたとの電話をもらって、車で仕事場まで急いでいました。
そして、「3年待ったのに。戻りたい。餃子を焼く前に戻りたい」と呟きながらトンネルに差し掛かった時、石が飛んできてフロントガラスにあたり、トンネルの内壁が剥がれ落ちてきて、そのまま時空が歪み2009年8月1日へ行ったのです。
真冬の格好で、真夏のホテルへ到着したカンナは、それが昔来たことがあるホテルであることに気づきます。
突然突っ込んできた車に驚く、その場にいた小学5年生の二人組。それは、皆本佳林と吉山一輝で、二人は夏休み新聞を作っていて、ポラロイドカメラでカンナの姿を撮影します。
カンナが「何撮ってるの!」と威嚇しながら、ホテルの中へ入って行くと、ホテルのスタッフがロビーの中央で、幕で隠された大きなオブジェを前にして打ち合わせしているのに出くわします。
そのオブジェはカンナがデザインしたもので、スタッフはプロフィール資料を見ながら「たかはたさん」と言っているのを聞いて、カンナは「たかばたけ、じゃないですか?」とさりげなく指摘します。
「ほんとだ、たかばたけかんなさんだ。ありがとうございます」とお礼を言われるカンナ。
ただ、真冬の格好をしているので、不審な目で見られてしまい、その視線から逃れるように、カンナは空いている部屋へ向かいます。
二階の柵をこえて降りようとすると、足を踏み外して、下のクッションの山に落ちてしまいます。するとそこに「今悲鳴がしませんでしたか?」とやってきた男性。
それは、29歳の駈なのでした。
若い駈を見て、カンナは今が何年何月かと聞くと、戸惑いながら、「2009年8月・・・」と伝える駈。
これにより、カンナは過去へ来たことを確信するのでした。
顔が汚れてしまっているカンナに、駈はハンカチを取り出して渡します。
恐竜の絵柄のハンカチには「硯駈」と書いてあり、「すずりかける・・・」と呟くカンナ。
駈は「読めるんですか?」驚いて、「初めてです、僕の名前を読める方にお会いしたのは」と嬉しそうに笑います。
カンナが「名乗ってたんで」とボソッと呟くのが面白いシーンです。
このように、読めないはずの名前を初見で読めると言うのが、キーポイントになっています。
そして、名前を聞かれたカンナは動揺して来た道を走って引き返して車に乗り込み、現在へと戻るのです。
駈の亡くなった時の話をドラマにしようとするテレビ局員たち
翌朝、カンナの元へテレビ局のプロデューサーたちがやってきます。
このプロデューサーの一人である田端由香里はYOUさんが演じています。
田端たちは、駈が赤ちゃんを助けた話を、テーマは夫婦愛として、お涙頂戴の美談として描こうとしていたのです。
カンナは、冷めた目で「へー。知らない人を助けるために妻を残して。家族を残して死ぬ人間が、夫婦愛?へー。すごいすごい」と答え、ドラマを作ることに同意はしませんでした。
もう一度、過去へと向かうカンナ
駈の遺影へ、前日に過去に行って若い頃の駈に会ったことを語っていたカンナは、もう一度過去へ向かうことにします。
首都高のトンネルは、崩落事故があった後、一部通行止めとなっていました。
バリケードで塞がれた入り口へ向かって「ごめんなさい」と呟きながらアクセルを踏み込むカンナ。
気がつくと、無事に2009年8月1日へたどり着いていました。
そこにはまた小学5年生の二人組がいて、またカンナは写真を撮られるのでした。
カンナは駈を見つけ、駆け寄ろうとしますが、ふと窓ガラスに映る自分を見て、着替えるために服を買いに行きます。財布を開けると小銭しかなく、ワゴンにあった色んなかき氷が描かれたTシャツを、仕方なく購入します。
駈を見失ったカンナは、必死に探してみると、駈は大学教授の天馬市郎(リリー・フランキー)とシャンパンで乾杯をしているところでした。
お酒を飲めない駈がむせていると、市郎の娘、里津(吉岡里帆)がやってきます。駈に想いを寄せる里津は心配そうに駈に水を飲ませます。
その様子を見てちょっとムッとしていたカンナの足元に数匹の大型犬がやってきて、動物嫌いのカンナは慌てますが、なぜか慕われてしまい、もみくちゃになってしまいます。
その様子に気づいて、「喜んでますか、苦しんでますか」と駆け寄る駈。
犬苦手だから苦しんでいることを伝えて、駈に助けてもらったカンナ。
カンナのTシャツを見た駈は、かき氷やさんが近くにあることを伝え、一旦は離れようとしまうが、場所が分かりにくいかもしれないと、二人で一緒に行くことにします。
二人で列に並びながら、お互いのことを話す二人。駈は、カンナのことをとても気が合うなと感じます。
二人は夫婦だったのですから、当たり前と言えば当たり前ですが、駈が急速にカンナに惹かれているのが印象的なシーンです。
かき氷は残念ながら、カンナたちの目の前で売り切れてしまうのですが、カンナは駈を近くにあったロープウェイへ誘います。
景色を見ながら歩いていると、とうもろこしの屋台があり、カンナは駈に、とうもろこしは皮ごと茹でたほうが美味しいという最近知った情報を伝えます。
カンナと駈がホテルに戻ってくると、ドレスアップした里津が、庭でホテルの周年パーティをしているからいこうと駈を誘います。
カンナも行こうと駈に誘われて、嬉しくなって、化粧直しをしてくるとトイレに向かいますが、その途中で29歳のカンナを見かけてしまいます。
すると、突然息苦しくなり、胸に手を当てるカンナ。必死に外へ駆け出し、車に乗り込み、現在へと戻ってきます。
駈が死なない未来を作るために、何度も過去へ向かうカンナ
現在へ戻ったカンナは、冷蔵庫に貼ってあるとうもろこしを茹でる駈の写真が変わっていることに気づきます。
駈は皮を剥いてとうもろこしを茹でていたのに、その写真では、皮をつけたままとうもろこしを茹でてるのです。
過去の駈と出会って伝えた情報で、現在が書きかわっていることに気づいたカンナは、駈が死なない未来を作ろうと、付箋に駈の行動を書いて、それをリボンで繋いで行きます。
駈の行動を変えようと、何度も過去へ行って奮闘するカンナですが、何をしても、何度やり直しても、駈が死んでしまう未来を変えることができません。
現在の世界では、段々と時間が経ち、2024年12月28日になっています。
何をしても駈の死を避けられないのでは?と思い始めたカンナは、最後の手段として、駈が赤ちゃんを助ける時に、非常停止ボタンを押すように、仕向けます。
ロープウェイに乗るときにわざとホームに落ち、非常停止ボタンを押すように、叫んだのです。
駈はこの体験を覚えていて、カンナが現在に戻ってくると、非常停止ボタンを押したことになっています。それでも、駈は死んでいます。
なんと、運転手が居眠り運転をしていて、非常停止ボタンに驚き急ブレーキをかけたことで、電車が脱線してホームに突っ込み、死傷者62名にもおよぶ、大事故になっていたのです。
カンナが奮闘すればするほど、もっと酷い現実になってしまうことが、とても残酷で、神様に意地悪をされているような、現実を変えてバチが当たってしまったような、とても切なく悲しいシーンでした。
カンナの元に訪れる里津
2024年12月29日、昼の公演前にカンナが舞台美術の準備をしていると、42歳の天馬里津が訪ねてきます。
駈が亡くなった日に、15年ぶりに彼に会ったと話す里津は、その時の駈のシャツの襟が黄ばんでいて、悔しかったという話をします。
「私を選べばよかったのに」「私は彼と結婚したかった」「そしたら彼も大学に残れて、いつかは教授になれていた」
里津の言葉を聞いて、カンナは決意します。
自分と駈が出会っていない未来を作ろうとするカンナ
里津の言葉を聞いて、自分と駈が出会わなければ、結ばれなければ、駈は死なないのではないかと考えたカンナは、再び過去へ向かいます。
里津と駈を引っ付けようとしますが、なかなかうまく行きません。それどころか、駈は初対面なのに気が合うカンナに対し、思いは大きくなり、告白のようなことを言うようになってしまいます。
もう一度、やり直すために過去へ行ったカンナですが、うっかり「2024年7月10日 スズリカケル死亡』と書いた付箋を靴下の裏にくっつけたまま、過去へ来てしまいます。
かき氷屋さんへ入ったカンナと駈。先に座敷に上がったカンナが靴を脱ぐと、その付箋が落ちてしまい、駈はその付箋を見てしまいます。
そっと付箋を掌にしまった駈ですが、その後、カンナが偶然落としたスマホも見てしまって、カンナにどこから来たのか、自分は2024年に死ぬのか、問い詰めます。
カンナは、目の前で危ない目に遭っている人がいるときに、助けたら自分も危険なのに助けるか、という質問を投げかけます。
見て見ぬふりはできないという駈に、残してる家族は見て見ぬふりするのか、と問いかけるカンナ。
もう一度やり直そうと、席を立って駆け出します。
トンネル工事は終わりを迎えようとしており、あと一回くらいしかチャンスはないと考えているカンナ。
走って車へ向かっていると、駅の近くで突然苦しくなり倒れてしまいます。
そこへ駈がやってきて、苦しんでいるカンナと29歳のカンナを見てしまいます。
29歳のカンナのことが気になりながらも、早くここから連れ出してというカンナのジェスチャーで、カンナをおぶってホテルへと向かう駈なのでした。
駈へ全てを話すカンナ
駈の部屋へたどり着いた二人。カンナは、駅で見かけた若いカンナのことを、どう思ったかと駈に聞きます。
妹かと尋ねる駈に、15年前の自分だと告げるカンナ。
15年後から来たこと、自分が妻であること、不仲になり離婚しようとしていたことなど、全てを話します。
何度も何度も未来を変えようと、過去にやってきていたことを、小学5年生二人組に撮られたポラロイド写真を見せて伝えるカンナ。
駈が亡くなった時の状況も伝えて、それに対し駈は、「悪くないね、なかなかかっこいい死に方だ」と反応するのです。
カンナは、駈が死ぬ未来を作らないために、29歳の自分に出会わないでと懇願しますが、駈はカンナと出会っていない未来を作るのは嫌だと拒否します。
そして、目の前の44歳のカンナにプロポーズをするのです。
未来へ戻っていくとき、カンナは「死なないで」と駈に告げます。「前向きに努力してみます」と答えた駈。
カンナと別れた後、29歳のカンナに会いに行きます。
カンナの胸にぶら下がるIDカードを見て、「たかばたけかんなさん」と呟く駈に、読み間違えられなかったことに驚いたカンナは、「どこかでお会いしました・・?」と聞くのです。
駈は、結局同じ事故で亡くなってしまう
そこから、駈とカンナは付き合い始め、結婚し、生活していきますが、以前の結婚とは違い、夫婦はずっと同じベッドに寝て、仲良しのまま過ごしています。
44歳のカンナが嫌だと言っていた、電気を消して回るような行動を、駈はしないように気をつけていたのだと思います。
そして、2024年7月10日、同じ事故で駈は亡くなります。
駈の死亡届を区役所に出して、家に帰ってきたカンナは、6月になったままのカレンダーをめくろうとすると、封筒が落ちます。
それは、駈からカンナへの手紙でした。
駈からカンナへの手紙
駈が一緒に過ごしてきた手紙を読んでいるカンナは、未来からきたカンナではなく、29歳の時に出会って、そこから一緒に過ごしてきたカンナなので、駈と離婚しかけていたカンナではありません。
なので、駈は15年前に起こった不思議な出来事を伝えようと手紙を書き始めたのですが、それはしっくりこなくて、全部捨てたそうです。
そして、日常のひとつひとつが人生の宝物だったことを、細かくカンナに伝えます。
カンナがいるだけで、大きな大きな愛を受け取っていたことを伝えます。
そして、淋しいという思いは、まず初めに好きだっていう思いから始まっていて、あの日、出会って好きになったこと、それが淋しさの正体だと伝えるのです。
「僕がこれから受け入れる未来は、君と出会うための未来だった」
「結果は変えることはできなかったけど、僕は人生を変えることはできた」という駈の言葉には、「死なないということだけが善ではないのだ」と感じさせられました。
死に方だけがその人の人生ではない、不幸な死に方をしたからといって、その人の人生が不幸だったわけではない。そのことを、強く思わされるラストでした。
この後、カンナは3年待ちの餃子を受け取ります。これは、元の世界ではカンナが自分で注文していましたが、未来が変わった現在では、駈がカンナのために注文してくれていたのです。
映画『ファーストキス 1ST KISS』の考察・感想
映画『いま、会いにゆきます』を思い出すストーリー
映画『ファーストキス 1ST KISS』を見て、一番に思い出したのは、2004年に公開された映画『いま、会いにゆきます』です。
『いま会いに行きます』は、竹内結子さん、中村獅童さんが主演の大ヒット映画ですが、自分が死ぬと分かっていても、出会いにいく、というラストシーンが、とてもこの映画『ファーストキス』と似ているなと感じ、思い出しました。
ラストのカンナは、元の世界のカンナではないという盲点
44歳のカンナは、最後に過去に行って、全てを駈に話し、また未来に戻るために駈と別れたシーンを最後に、出てきていません。
そこ以降に出てくるのは、29歳のカンナです。
彼女は駈が2024年7月10日に亡くなることは知りません。
だから、駈がその日に出ていく時も、普通に過ごしていますし、駅に行くことを止めることも、死ぬことを止めることも、できません。
ここは、ある種盲点になっているなと感じました。
未来から来たカンナと、29歳から新しく仲良く駈と過ごしてきたカンナはいつ融合するのだろうと感じました。
2024年12月24日になったら、カンナの中に記憶が戻るのか?そんなことはなさそうですよね。
パラレルワールドのように、別の世界線で生きていると考えるのが妥当だと思います。
死なないことだけが善なのではない
結局、駈は亡くなってしまうというラストは、衝撃でした。
過去に行くことができたのなら、それは変えられるのはないかと思っていたからです。
でも、あらすじの方にも書きましたが、「死なないことだけが善なのではない」ということを強く思わされるラストでした。
個人的には、小林麻央さんが亡くなった時に、小林麻耶さんが、「乳がんで死んだということだけが妹の人生ではない。それまで、とても素敵だった妹の人生を覚えていてほしい」というようなことを言っていたのを思い出しました。
不幸な亡くなり方をした人の人生が、それによって、全て不幸になるわけではなく、新たに歩んできた駈の人生は、間違いなく幸せだったし、それを駈もカンナに伝えたいのだと感じました。
まとめ
映画『ファーストキス 1ST KISS』について、ネタバレありであらすじや結末はどうなるのかを、考察や感想も含めて見ていきました。
・映画『ファーストキス 1ST KISS』では、硯駈(スズリカケル)(松村北斗)は、電車にぶつかりそうになった赤ちゃんを助けて亡くなる
・映画『ファーストキス』では、硯カンナ(松たか子)は、首都高のトンネルで崩落事故に巻き込まれた時に、時空が歪み15年前へいく
・映画『ファーストキス 1ST KISS』で、過去に行くことができるようになった硯カンナは、駈が死なない未来にしようと奮闘するが、カケルは何をしても、同じ日に死んでしまう
・映画『ファーストキス』では、駈とカンナは最初は冷え切った夫婦だったが、カンナが過去に行ったことで、とても仲の良いまま、カケルの死を迎えることができた
・映画『ファーストキス 1ST KISS』は、映画『いま、会いにゆきます』と似ている
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!
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