映画ミッシングが公開され、その結末が賛否両論を呼んでいますね!
私はこの映画を公開日の5月17日に鑑賞し、2時間泣きっぱなしでした。
子を持つ母親なら、自分に置き換えて涙が溢れてしまうのではないかと感じるこの映画ですが、石原さとみさんが、子供を産んでから初めて復帰した作品としても、注目されています。
また、石原さとみさんが、吉田恵輔監督(吉の字は下の棒が長い)に、出演を直接お願いしたことでも、話題になりましたよね。
「どんな役でもいいから吉田さんの映画に出たいです」
すべては石原さとみのこの一言から始まった。
映画『missing ミッシング』パンフレットより
この映画の中で、石原さとみさんと共に、失踪した女の子の父親役を演じたのは、青木崇高さんです。
映画では、感情的に取り乱す石原さんとは対照的に、いつも冷静で、感情を抑えた演技をしていました。だからこそ、青木さんが泣くシーンは特に印象的で、涙が込み上げてきた観客の方も多かったのではないでしょうか?
このブログでは、ミッシングのネタバレやあらすじを交えながら、青木崇高さんの演技力や、青木さんはミッシングで映画賞(主演男優賞や助演男優賞)が狙えるのではないか、ということを綴っていきたいと思います。
映画ミッシングのあらすじは?
※ここから、かなり詳細なあらすじを含みます。
ネタバレが苦手な方は、ぜひ映画を見た後に、このブログに戻って読んでいただけますと幸いです。
ミッシングは、森下沙織里(石原さとみ)と、森下豊(青木崇高)夫婦の、一人娘である森下美羽(有田麗未)が行方不明になって、3ヶ月が経ったところからスタートします。
物語の舞台は静岡県沼津市。映画の撮影は、沼津市をメインに、裾野市や富士市でも行われたそうです。
沼津市をメインに、裾野市や富士市でも撮影が行われたそうです。森下夫妻が、駅前でビラを配っている様子を撮影しているのは、中村倫也演じる砂田が率いる、静岡テレビのスタッフたち。
失踪事件が起きた当初は、全国で放送されていたのに、今ではテレビでほとんど取り扱ってもらえなくなっていることで、沙織里と豊の夫婦には、焦りの色が見られます。
確かに、行方不明事件の報道って、1ヶ月くらいはテレビ局がこぞって取り上げるけど、手がかりもなく進展がなかったら、もっと大きなニュースが起きた途端に、そちらのニュース一色になって、いつの間にか観なくなるよね、という気持ちになりました。
この映画は、3ヶ月経ったところからスタートするのが、本当にキモのような気がします。
おそらく、失踪当初は、ものすごく報道されたのではないかと思うのです。6歳の女の子が行方不明になったら、しかも、公園からたった300mの距離にある自宅に戻らなかったら、マスコミは飛びついて報道しますよね。
それが、手のひらを返されたように全国放送で取り上げられなくなり、世間が見向きもしなくなったところからスタートするのは、この映画が本当に伝えたいことを予感させるのには、十分すぎる演出だと感じました。
あらすじに戻りますと、実は、沙織里は、美羽の失踪時に推しの、3人組男性アイドルグループである「BLANK」のライブに行っていました。そのことは、報道でも取り上げられていて、ネット上ではひどいバッシングにあっています。
また、美羽の失踪直前に一緒にいて、公園から一人で自宅まで帰してしまったのは、沙織里の弟の土居圭吾(森優作)で、圭吾は世間から犯人なのではないかと疑われています。
沙織里たちを取材する砂田(中村倫也)は、純粋に美羽の発見へ向けて沙織里たちの力になりたいと考えています。しかし、砂田の仕事はローカルテレビ局の記者であり、求められるのは視聴率。
テレビ局の上司からは、美羽の失踪当初に取材を断った沙織里の弟、圭吾を取材するよう、強く求められてしまいます。
沙織里の説得もあり、圭吾は渋々取材に応じます。しかし、圭吾はもともと、人とコミュニケーションをとるのが苦手で、カメラの前で頭を掻きむしったり、苛立ったり、不自然な言動を繰り返してしまいます。
今回の取材がテレビで報道されると、弟の怪しい言動だけでなく、「BLANK」のポスターの前で、BlankのツアーTシャツを着た沙織里と美羽が笑っているポスターが放送されたこともあり、ネットでのバッシングはますます酷くなりました。
「なんかまためちゃくちゃひどいこと書かれてるんだけど」とパソコンの前で苛立つ沙織里と、「そんなにいやなら見なけりゃいいだろ」と諭す豊(青木崇高)。「わかってるよ!わかってるけど、どうしても見ないでいられないの!」と怒鳴る沙織里に、呆れたような、どうすればいいかわからないというような、表情の豊。
砂田(中村倫也)たちは、弟が犯人なのではないかと考え、美羽と別れた後はずっと家にいたという弟の証言を疑い、防犯カメラの映像などを追います。そして、弟が実は出かけており、夜遅くに帰宅しているという事実に辿り着くのです。
青木崇高の感情を抑えた演技が胸を打つ
この映画では石原さとみさんの演技力が大変注目されています。
これまでの女優・石原さとみといえば、メイクを石原さんが自分でするほど、顔の造形やそのスタイルの良さにこだわった演出が多く、なりたい顔ランキングでも常に上位にあり、憧れている女性も多い女優さんでした。
しかし、この映画では、その全てを封印。
ボディソープで髪を洗い、わざとボサボサにして、リップクリームを使うのをやめ、トレードマークとも言えるチャームポイントの唇をわざと荒れさせて、子供が失踪した母親を表現しています。
この映画の中での石原さんの演技は「爆発」。感情を露わにし、大声を出すシーンが多いです。
その一方で、青木崇高さんの演技は「冷静」。常に落ち着いていて、声を荒げるシーンはほとんどありません。
感情的になる石原さんに対し、諭すように語りかけるシーンが多いです。
そんな青木さんが泣くシーンは、主に2つ。
一つ目は、美羽の目撃情報があり、遠く離れた蒲郡まで行った時に、その情報をくれた提供者となかなか連絡が取れず、沙織里と二人でホテルのレストランで夕食を食べた後、一人でタバコを吸いに出た時。
実はその前に、レストランで沙織里が美羽に似た女の子を見かけ、「美羽!?美羽!?」と駆け寄ってしまうのですが、豊は、「ちょ、こんなところにいるわけないじゃん」と周りの目を気にして、恥ずかしそうにしてしまうのです。
それに対し、「なんでそんなに冷静でいられるの?」「やっぱり温度が違うんだよ」と責める沙織里。
実際は、沙織里のいない間に、ホテルの女性従業員に美羽のビラを置いてもらえないかお願いしていたり、豊は冷静に今できること、美羽の発見に繋がる可能性が高いことをやっているのですが、夫婦の気持ちはすれ違ってしまいます。
そして、そのやりとりがあった後に、一人でタバコを吸いに出た豊は、先ほどの美羽に似た女の子が家族と手を繋いで、駐車場の車に戻っている姿を見かけます。
その時に、美羽を想い、涙が流れそうになり、でもそのタイミングで知らないおじさんにライターを貸して欲しいと頼まれて、一生懸命涙を隠そうとするのです。
青木崇高が涙を流すシーンの二つ目は、映画の最後にあります。
美羽の失踪から2年が経った後、美羽と同じように女の子が失踪する事件が起きます。その女の子は程なくして見つかるのですが、美羽の事件とは全く関係なく、シングルマザーの母親の元交際相手が、別れた腹いせに女の子を誘拐していたのです。
しかし、その女の子が見つかる前に、美羽の事件と酷似していると考えた沙織里は、美羽のチラシにその女の子の情報も書き込んで、なんとかその女の子を見つけ出し美羽も見つけたいと考えて、捜索に動きます。
結局その女の子は見つかったので、捜索活動の意味はなかったのですが、その後、駅前で沙織里と豊が美羽のビラを配っていると、その女の子と母親が訪ねてきてくれるのです。
「あの時は、ありがとうございました。何かお手伝いさせてください」と申し出る母親と、無事に見つかった女の子の姿を見ると、涙を堪えきれなくなった豊が、嗚咽を漏らします。
この映画の中で、初めて、青木崇高さんが最大に感情を出して泣くシーンです。
私の親友は、ミッシングを見たときに、「石原さとみさんの演技力はすごいと思ったけど、泣けたのは青木崇高さんが泣くシーンだった」と言っていました。親友と同じように、青木さんのシーンで涙が出た方は多いのではないかと思います。
青木崇高は、ミッシングで主演男優賞・助演男優賞を狙えるか?
映画「ミッシング」は、今年の映画賞を総なめするのではないかと感じるほどの衝撃作なのですが、青木崇高さんは、この映画で主演男優賞や助演男優賞を狙えるのでしょうか?
青木崇高さんが、過去に主演男優賞や助演男優賞を獲っているかを調べてみました。
・第88回ザテレビジョンドラマアカデミー賞(2015年) 主演男優賞ノミネート 『ちかえもん』 万吉役
・おおさかシネマフェスティバル2013 助演男優賞 『黄金を抱いて翔べ』キング役 『るろうに剣心』相楽左之助役
青木崇高さんといえば、実力派俳優というイメージなので、もっと映画賞を獲っているのかと思っていたのですが、私が調査した限りでは、上記の二つの賞だけでした。
これは、『ミッシング』で日本アカデミー賞などの主演男優賞や助演男優賞を獲ることが期待でき、とても楽しみだなと感じました。
ミッシングが総なめするかもしれない、日本の代表的な映画賞はいつ開催される?
今年No.1の話題作との呼び声も高い映画『ミッシング』ですが、ミッシングが選考対象になる日本の代表的な映画賞は、いつあるのでしょうか?調べてみました。
第48回日本アカデミー賞
第79回毎日映画コンクール
毎日映画コンクールは、毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社によって創設された映画賞です。
第79回毎日映画コンクールは、2024年1月〜12月に公開された映画を対象とし、例年通りであれば、2025年2月に表彰式が行われます。
第49回報知映画賞
報知映画賞は、報知新聞社が主催する映画賞です。
2023年12月〜2024年11月に公開された映画を対象に、ノミネートは11月ごろ発表され、授賞式は12月に開催される予定です。
第34回日本映画批評家大賞
日本映画批評家大賞は、1991年に映画批評家の水野晴郎さんが発起人となり作られた映画賞です。
第34回日本映画批評家大賞の授賞式は、例年通りであれば、2025年5月ごろ開催される予定です。
まとめ
映画「ミッシング」で父親役を演じた青木崇高さんが映画賞を狙えるかについてみていきました。
・青木崇高さんは、これまであまり映画賞を獲っていない。
・ミッシングでは、石原さとみの爆発するような演技とは対照的に、いつも冷静な父親を演じているが、見る人によっては青木さんが泣くシーンの方が、他のシーンよりも泣けたという人もいるくらい、観客の胸を打つ演技をしている。
・ミッシングがノミネートされる可能性のある日本の映画賞は、第48回日本アカデミー賞、第79回毎日映画コンクール、第49回報知映画賞、第34回日本映画批評家大賞などがある。総なめする可能性もあるかも?
石原さとみさんの演技で大変話題になっているミッシングですが、青木崇高さんが映画賞を獲るのか、今から楽しみですね!
ミッシングについて、より詳細に書いているブログもありますので、ぜひお楽しみください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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